2018.08.22 Nilay Islek

XF10でロンドンをスナップ

Nilay Islek

トルコのイズミルに生まれ、高校を卒業するまでイズミルに暮らす。1999年、Dokuz Eylül 大学に入学。2003年卒業。2009年には、「デジタル写真におけるビジュアル文化と社会的記憶」をテーマに修士号を取得。
学生だった1995年頃から広告写真を撮るようになる。大学時代は、写真エディターも務める。2010年には、アトリエ「Artlens Visual Culture and Photography」を設立。あらゆる場所で講師をも務める。富士フイルムのEducation Centerでもワークショップを開催している。
国内外で開かれる個展のほかにも、多くの作品はグループ展示会で紹介される。プロの写真家で、講師を務めているが、彼女は、博士号を目指す生徒でもある。

昨今リリースされたプロ向けカメラの驚異的な発展を目の当たりにすると、富士フイルムはプロフェッショナル・フォトグラファーにもっと力を入れていると思うかもしれません。 しかし、XF10は、富士フイルムが小型ボディに最先端の技術を詰め込むコンパクトカメラとそれを使う写真家に依然と関心を寄せている証拠です。
ストリートフォトグラファーとして、私はカメラのすべてのコントロールをマニュアルモードで撮影します。 だから、XF10を受け取ったとき、私は即座にマニュアル露出モードに切り替えて、ボディの右上に配置された2つのホイールをシャッタースピードと絞り用に設定しました。 メカニカル+電子シャッタースピードの値は30〜1/16000秒で、もちろんバルブモードが使用できます。

混沌とした繁華街やイベントで、止まることのない人々を捉えるには、AF性能が極めて重要です。 X70ユーザーである私は、高速AFスピードに慣れていたので、この新しいカメラのAFスピードには正直期待していませんでした。 ですが、たとえXF10がエントリーレベルのカメラとして設計されたとしても、その性能は私の期待を大きく上回るものです。XF10のAFスピードはかなり速く、新しいフォーカスモード “ALL”はAFモードの切り替えが容易にできます。 それともう1つフォーカスレバーが搭載されているので、AFフレームを瞬時に設定ができます。レンズ一体型カメラでフォーカスレバーを搭載されるのはX100Fにつづいて2つ目です。これをを使用することで、ユーザーエクスペリエンスが飛躍的に向上します。

XF10は非常に使いやすいカメラです。 軽く、スマートで、仕事を申し分なくこなしてくれます。 XF10で数日間過ごした後、私はカメラをオートモードにしてみようと思いました。 このカメラの特長の1つは、SR +モードです。 このモードでは、構図を決めたらあとはカメラにおまかせです。 驚いたことに、マクロであろうと風景であろうと、迷うことなく瞬時に設定が反映されました。 簡単に連続でシャッターを切ることができます。 構図を決めて、シャッターを切るだけ….このモードは、撮影方法にこだわりはないけど魅力的な写真を撮りたいユーザーにとって、とても好ましいです。 プロの写真家としても、フレームに集中したい時はSR +モードで撮影するのもありです。

私が住んでいるロンドンは、ストリートフォトに適した街です。カラフルで、歴史ある街並みやロンドンの人々が鮮やかな写し出されストリートライフは、まるで映画のシーンのように思えます。一方で、暗い天気や、混雑した場所、動きのある被写体といった撮影に厳しい条件もあるので、X-Pro2をメインカメラとして日々撮影に取り組んでいます。メインカメラのほかに、私は日常カメラとしてサブカメラを持ち歩くことを好みます。XシリーズではXF10またはX100Fという2つのオプションがありますが、この2つの大きな違いはファインダーです。個人的には、DSLRカメラではビューファインダーを使っていましたが、 モニターを見ながら撮影する行為はとても快適で、ファインダーを覗かないようになりました。さらに、ミラーレス技術によるLCDモニターの発展は、著しく、シャッターボタンのタイミングと表示ラグがないのでとても快適です。
Xユーザーだと、トイカメラ、ミニチュア、ポップカラー、ハイキー、ローキー、ダイナミックトーン、ソフトフォーカス、パーシャルカラーなどのアドバンストフィルターになじみがあるでしょう。XF10には、新たにHDRアート、フィッシュアイ、Fog Remove、クロススクリーン、リッチ&ファインが追加されました。XF10には、魚眼レンズ、SR +モードによるマクロ撮影など、さまざまな機能が搭載されており、レンズ交換をしなくとも様々な特性を楽しむことが出来ます。

XF10は、日常的に使用するのに適したコンパクトカメラで、何年にも渡って蓄積された富士フイルムのユーザーエキスペリエンスが凝縮されています。